myスター 長谷川

こんにちは

 

ひろしです。

 

金曜日、近所の高校の調理科に『職業能力開発協会』に依頼され

和菓子マイスターとして、講師を務めてまいりました。

 

先生といわれることは無いので気恥ずかしい気持ちでいっぱいでしたが

練り切りの作りかた、さらには牡丹と水鳥を作った練り切りで仕上げて体験させてきました。

 

Jk、DKに囲まれ、久しぶりに若いエキスをたっぷりと吸ってまいりました。

女子高生よりも先生?なのかな?一人小西真奈美似のいい女がいたことは決して口外してはいけない。

 

最初は硬い表情の生徒たちも、だんだんと僕の軽妙なトークに酔いしれ、

最後はナミダナミダのお別れとなりました。

 

とある先生の言葉を借りますが

 

洋菓子は家庭で作るけど、和菓子は家庭で作らない。

なぜか?それは製法の基本が

洋菓子は『重ねる』

和菓子は『包む』

だからだ。

 

ケーキなどもそうですが、基本は重ねていきますよね?

和菓子は基本的に包んでいくんです。

その、包むという作業が非常に難しい。

 

どれぐらい難しいというと

 

四対四の合コンで全員可愛くてノリが良い娘に当たるくらい難しい。

 

お酒を伴う接待で、嫁の妊婦を理由に先方の機嫌を損ねずにノンアルコールでやりきるくらい難しい。

 

近所の本屋さんで、ずっと欲しかった本がやっと入荷した。

手に取ろうとしたら、知らない美少女もそれを欲しかったようで

手がぶつかってしまう。

譲り合ううちに話が盛り上がり、その場は連絡先も交換せずに別れる。

一週間後、映画館でたまたま彼女と再会。

どうしたんですか?と、たずねると

友達にドタキャンされてしまい、見たかった映画を一人で見る勇気がなくて困っていた

自分も実はその映画を見に来たことを告げると

良かったら一緒に見てくれませんか?とのこと

快諾し、御礼にご飯でもと誘われあれよあれよと交際に至る。

結婚もし、二人の子供に恵まれた。

 

 

あっという間に三十年

子供も成人し、孫もできた。

家族の中はまた二人だけになってしまったが、寂しくはない。

むしろ、やっと二人だけになれてせいせいするくらいだと二人で笑いあった。

 

 

しかし、ある日、妻が倒れた。

末期の癌だそうだ。

妻には言えない。

 

妻の前では気丈にふるまい

過労だって!すぐ退院できるよ!

と、言ってみたものの、家でひとり涙する。

 

妻の葬儀も終わり、ふと妻のバックの中から遺書を見つける

「実は、ずっとあなたに黙っていたことがありました。本屋での出会いは偶然ではないの。あなたのことはもっと前から知っていました。あなたは覚えていなかったようだけどうちは母子家庭で経済的にも苦しかった、小学校の時クリスマスのケーキも買えなかった。店の前でぐずる私。たまたま通りかかった高校生のあなた。何も言わずにケーキを私に渡して走り去ってしまって御礼も言えなかった。大きくなって本屋で見かけた時は息が止まるかと思いました。思い切って手がぶつかるように手を伸ばしてあなたと話ができた時はうれしくて天にも昇るようでした。それからの人生とても幸せでした。私は先に天に昇っちゃうけど後から追いかけてきてね。あっ来るときはあのお店のケーキを忘れないでね!」

私は涙が止まらなかった。

 

 

っていう出会いをするくらい難しいです。

 

もともと何の話でしたっけ????

 

あっマイスターの話だ

 

ホント、手の内は明かせないって言いますが

技術を伝えるって難しいですね

 

高校生の多感な時期にいろいろな体験をする。

僕は和菓子のこと位しか伝えられないけれど、

この体験が、将来、何かの時に、一つだけでも思い出してくれたらなぁ。

と願っております。

 

少年、少女よ。

大志をいだけ。

 

 

 

 

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